共に暮らす中で、予期せぬ発見をして学びを深める。そんなコンセプトで作られた、住居であり学び場である「シモキタカレッジ」(東京都世田谷区)が注目を集めている。訪ねてみると、若い住人同士で学び合いが進むしかけが豊富で、エネルギーがぶつかり合い、新しいものが生まれる予感であふれていた。
下北沢駅から徒歩3分。平日夜、ガラス張りの1階食堂から、開放的な雰囲気が外にまで伝わってきた。中に入ると、広い共用部の随所に椅子やソファが配置されていることに気づく。年齢や性別に関係なく、そこかしこで談笑する住人たちの姿が目に入った。
「対話が生まれやすい空間作りを意識して、家具の配置や動線も工夫している」と、運営スタッフの一人が教えてくれた。
5階建ての建物には、高校生から社会人まで約120人が暮らす。学校も経歴もバラバラだが、多様な人たちと出会って成長したい、学び合いたい――。そんな思いが共通している。コンセプトに理解がある人に入居してもらうため、書類や面接で選考が行われる。
住人の中心は大学生で、基本の居住期間は2年間。高校生は3カ月単位から住むことができる。ベッドや机が置かれた個々の部屋があり、共用部にキッチンや洗面所、洗濯機などがある。朝・夕の食費込みの家賃は、近隣の一人暮らしと同じくらいだそうだ。
学び合いが生まれる綿密な設計
運営するのは、従来の「学校…